インバータとは
1 インバータ
・機能:直流電流を交流電流に変換する回路。
・用途:電気自動車・電車・発電などモーターを内蔵する機器。
家電では、高級エアコン/洗濯機にも使用されている。
1.1 基本回路
・フルブリッジインバータ
・入力は回路図の左側。出力は青いボックス。
・出力の周辺に、図のようにスイッチが4つついている(S1-S4)
1.2 動作
・スイッチS1-S4を閉じたり開いたりして、 モード1⇒モード2⇒モード1⇒・・・
の回路状態を繰り返す。
□モード1
・S2,S3を閉じる⇒”出力”には、左向きの電流が流れる。
□モード2
・S1,S4を閉じる⇒”出力”には、右向きの電流が流れる。
□出力
・入力は下図の左側のように、直流状態。
・スイッチがモード1の状態のときは、出力に←向きに電流が流れる。
・スイッチがモード2の状態のときは、→向きに電流が流れる。
・モード1⇒モード2⇒モード1⇒・・・
と繰り返すと、一定周期で逆方向に電流が流れるので、
下図の右側のように交流になる。これがインバータの基本機能。
1.3 スイッチ
・モード1⇒モード2⇒モード1⇒・・・ は、とんでもなく速いスピードで繰り返す。
・そのため、高速で切ったり繋いだり出来る半導体スイッチング素子(MOS-FET)を使う。
1.4 まとめ
・以上がベーシックなインバータ。
・ただし、これでは方形波(四角い波)しか生成できない。
方形波では、電力ロス(=発熱,騒音)が生じてしまう。
・理想の交流は正弦波。正弦波を出力するために、最近のインバータは
もっと工夫をしている。2項へ進む。
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2 最近のインバータ
・最近のインバータは、正弦波に近い電流波形を出力する工夫がされている。
それが、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)という技術。
2.1 パルス幅変調
・パルス幅変調とは、幅のまちまちな方形波(半波)を組み合わせて、正弦波を
生成するテクニック。
・下の図のように
・まず、幅の狭い方形波電流を間隔をあけて流すことで、
平均すると出力の低い電流が流れる。
・この方形波電流の幅を少しずつ広く、また間隔を減らしていくことで、
徐々に電流値の平均値が上がっていく。
・最終的に、幅の広い方形波電流をほぼ間隔なく流すことで、
電流値の平均値が最高に達する。
・車の運転に例えると、
・車のスムーズな加速/減速を、アクセル踏んだり離したり だけで
再現するようなもの。
・「アクセルを一瞬だけ踏む」のを、間隔をあけて繰り返すと、
車は遅いスピードで走る。
・「アクセルを踏む時間を長く、アクセルを踏む間隔を短く」すると、
車のスピードは徐々に上がっていく。
・最終的に「アクセルを踏む時間を超長く、アクセルをほぼ間隔なく踏む」
ことで、スピードは最高速に達する。
・こんな風にして、方形波の幅と流す間隔を変化させることで、
滑らかな正弦波を生成するテクニックがパルス幅変調。
↓ 方形波の幅・間隔をもっと細かく
↓ 変化させてやると、
正弦波(に近く)なる。
2.2 パルス変調回路
追記予定