複数のCSVから、特定範囲のセルを、1つのワークシートにコピー/ペーストする方法
◆概要
複数のCSVから、特定範囲のセルを、1つのワークシートにコピー/ペーストする
VBAのコードを記載する。
◆VBAの機能
1.Alt + F8 → 実行 で、VBA実行。
1.ファイル選択画面が出る。内容をコピー/ペーストしたいCSVが
複数選択できる。
2.選択した全てのCSV内のセルB13~B20の範囲が
コピーされ、新しく生成されたシート「Data」の
B3,C3,D3,E3・・・に順番にペーストされる。
3.CSVが閉じられる。
◆コード___________________________________________________________________________
Sub csvcpy()
'0.VBAで使用する変数の定義
Dim PathGet As Variant
Dim DataSheet As Worksheet 'DataSheet = コピー元のファイル(csvファイル)
Dim NewSheet As Worksheet 'NewSheet = ペースト先のシート(シート"VF")
Dim SheetName As String
'1.CSVファイルの選択画面を出す
PathGet = Application.GetOpenFilename( _
FileFilter:="CSVファイル(*.csv),*.csv", _
Title:="CSVファイルの選択", MultiSelect:=True)
'2.ファイルパスが取得できない場合→処理終了
If IsArray(PathGet) = False Then
Exit Sub
End If
'3.ファイルパスが取得できた場合→メイン処理に進む
'3-1.ペースト先のシートを準備
Set NewSheet = Worksheets.Add() '新しいワークシートを生成
NewSheet.Name = "Data" 'ワークシート名にDataと記入
C1 = 2
'3-2.選択したCSVファイルを開く
If IsArray(PathGet) Then
For Each Filename In PathGet
SheetName = Dir(Filename)
Workbooks.Open Filename:=Filename
Set DataSheet = ActiveSheet
'3-3.CSVのコピー範囲指定→コピー→ペースト
DataSheet.Range(Cells(13, 2), Cells(20, 2)).Copy Destination:=NewSheet.Cells(3, C1)
C1 = C1 + 1
'3-4.CSVを閉じる
ActiveWorkbook.Close SaveChanges:=False
'3-5.次のCSVの処理に移る(3-2~繰り返し)
Next
End If
End Sub
____________________________________________________________________________________
◆コピー範囲の変更
・範囲の頭:Cells(13,2)がコピー範囲の頭の位置。
ここを、任意のセルに変えればよい。
・範囲の末尾:Cells(20,2)がコピー範囲の頭の位置。
ここを、任意のセルに変えればよい。
※Cells(13,2)=13行目,2列目のセル=セルB13なので、
セルD13にしたければ、Cells(13,4)にする。
セルB8にしたければ、Cells(8,2)にする。
◆ペースト位置の変更
・ペースト先は、ctrl + Vでのペーストと同じく、
先頭のセルのみ指定している。
Cells(3, C1)がペースト先の位置なので、ここを
任意のセルに変えればよい。
セラミックコンデンサ バイアス特性 温度特性
◆概要
・セラミックコンデンサの容量は、
①印加電圧を変えると変化する(バイアス特性)
②温度を変化させると変化する(温度特性)
という、2つの環境依存性がある。
・使用環境でコンデンサの容量が変わると困るので、
①、②はいずれも変化が小さい方が良い。
・でも
・①が良いセラミックコンデンサは、②が悪い。
➡このタイプのセラミックコンデンサの特性をZM特性と呼ぶ
・②が良いコンデンサは①が悪い。
➡このタイプのセラミックコンデンサの特性をB特性と呼ぶ
①②の両方が良いコンデンサは出来ない。
◆ZM特性・B特性
①セラミックコンデンサは、印加電圧を変えると容量変化する(バイアス特性)。
➡この変化が小さいタイプのタイプのセラミックコンデンサをZM特性と呼ぶ。
逆にこのZM特性のコンデンサは温度変化した際の容量変化が大きい。
②セラミックコンデンサは、温度を変化させると変化する(温度特性)。
➡この変化が小さいタイプのタイプのセラミックコンデンサをB特性と呼ぶ。
逆にこのB特性のコンデンサは印加電圧を変化させた際の容量変化が大きい。
一覧にすると以下の通り。
印加電圧変化に対する容量変化 | 温度変化に対する容量変化 | |
ZM特性 | 小 | 大 |
B特性 | 大 | 小 |
図示すると以下の通り。
バイアス特性 温度特性
◆①②の両方が良いセラミックコンデンサが出来ない理由
・セラミックコンデンサを細かく分解すると、下の図のような結晶構造となる。
セラミックコンデンサの拡大図
右側の図
・この結晶構造は、原子A,B,Cから構成されている。
立方体の頂点に原子A, 6面の中心に原子B, 立方体中心に原子Cが位置する。
・原子Cは、上下方向に少しだけ移動することができ、コンデンサに電圧を
印加すると、立方体中心から上(か下)に原子Cがずれてロックされる。
・原子A,B,Cはすべて帯電しているので、原子Cが上下に少しずれてロックされると、
結晶格子の電荷のバランスが崩れ、結晶格子の上面と下面に逆の電荷が帯電する。
・このように電圧の印加で結晶格子内の電荷バランスが崩れた状態でロックされ、
上面と下面に逆の電荷が帯電するのが、コンデンサの充電動作である。
中央の図
・セラミックコンデンサをもう少し大きい領域で見た場合、中央の図のようになる。
セラミックコンデンサは通常、多結晶構造をとり、図のように少しいびつな無数の
ブロックに分かれている。
・1つ1つのブロックを拡大すると、右側の図のような結晶構造となっている。
コンデンサに電圧をかけると、この各ブロックの結晶構造の原子Cが上か下に
一斉にずれ、全体として、多量の電荷がコンデンサの上下に蓄積される。
※ここでも、コンデンサの上下は逆性の電荷が蓄積される。
・このように、コンデンサ内には、右上の図の結晶格子が、無数に詰まった
構造となっており、その分たくさんの電荷を蓄積できる。
ZM特性とB特性のコンデンサの挙動の違い
B特性:
B特性は、結晶のブロックごとに性質がバラバラになるように
コンデンサの結晶に混ぜ物をする。
プレーナ型ダイオードの高耐圧化
プレーナ型ダイオードの高耐圧化
・プレーナ型ダイオードを高耐圧化する方法は以下の3通りがある。
①ガードリングの使用:ガードリングを形成することで、ダイオードの弱点である
PN接合の横端の電界集中を緩和させる。これにより、
弱点が改善され、デバイスを高耐圧化させることが出来る。
②フィールドプレート:フィールドプレートを形成することで、原理は違うが、
①と同じくダイオードの弱点である、局所の電界集中を
緩和が緩和され、デバイスの高耐圧化に寄与する。
③保護膜の工夫:数千Vクラスのダイオードの場合の話。このクラスまで来ると、
保護膜にも工夫が必要。保護膜には絶縁性の良い窒化ケイ素
がよく使われるが、あえて若干の導電性を持つSIPOS膜を使用
することで、保護膜表面の帯電を緩和し、デバイスの弱点となる
デバイス内部のリーク電流パスを緩和する工夫。
以下、記事に詳細を記す。
パワーデバイスの放熱性(熱抵抗)
パワーデバイスの放熱性の重要性
・半導体チップの多くは現在、材料としてシリコンが使われている。
・シリコンは優秀な材料だが、100℃を超えると性能が低下し、
150℃を超えると熱暴走して、機器が確実に壊れてしまう。
※シリコンの温度が上がると、価電子帯から伝導帯に電子が励起される。
(=キャリアが増える=抵抗値が下がる)。すると、より多くの電流が流れる。
すると、さらに温度が上がる。この負の連鎖でものすごく温度が上がり、
最終的にシリコンチップ周辺の部品(パッケージ/導線/はんだ)が溶断して、
機器が壊れる。
・パワーデバイス(電源に使う半導体デバイス)分野で100℃~150℃なんていうのは、
意外とすぐに到達してしまう温度なので、この分野では電気的性能だけでなく、
放熱性も重要となる。
シリコン 拡散時間 計算
目的
・シリコン中に不純物を熱拡散する際に、
目的の拡散深さを達成するためには、何時間熱拡散すれば良いかを計算する。
計算
■ステップ1:拡散係数を調べる
□方法1:グラフから見取る。
・文献で 拡散係数D-拡散温度のグラフを見る。
目標の拡散温度から、拡散係数を調べる。
※以下はボロンの拡散係数-拡散温度のグラフ。
ここから読み取ると、1200℃のボロンの拡散係数Dは1.2e-12
半導体デバイス S.M.Sze P.405
□方法2:計算する。
各定数を文献から引用して、以下の式に代入する。
・D = Do exp(-EA/kT)
※Do(cm2/sec):拡散定数
※EA(eV):活性化エネルギー
※k:ボルツマン定数
※T:温度(ケルビン)
■ステップ2:拡散時間を計算する
・必要な定数を調べる。
・Cb:シリコン基板濃度[原子/cm3]
・S:不純物拡散源のドーパント密度[原子/cm3]
・D:拡散係数
※ステップ1の方法1か2で調べた/計算した値。
・Xj[cm]:目的の拡散深さ
・拡散深さ(Xj)の計算式に代入する。
⇒拡散時間t[sec]を算出する。
半導体デバイス S.M.Sze P.409
以上
半角/全角 キーを押すと、' (チルダ)が入力される 状態をなおす。
●症状:半角/全角 キーを押すと、「' (チルダ)」が入力される。困る。
●改善方法:再起動したら治った。
●状況:新しいbluetoothデバイスを使い始めたら出た。
※環境:OS_windows10,PC_surface3,キーボード_logicool K780
続きを読むダイオード 耐圧計算
ダイオードの耐圧計算
フィールドプレートとは
■フィールドプレートとは
・フィールドプレートとは、ダイオードやトランジスタの耐圧を上げる
技術(構造)の一つ。
・図の黒い色の部分(n+,p+上に乗せた導電性膜)がフィールドプレート。
・材質は、金属や導電性ポリシリコン。
赤外分光(FTIR)とは
赤外分光(FTIR)とは
・サンプルの表面に付着している不純物(有機物)が何なのか特定する
測定器/測定方法。
半導体工程 ダイオード編
半導体の本の後半の章には、半導体工程が載っていることが多い。
でも詳しすぎるので読むのが面倒。とりあえず、どんな流れでつくるのか
手っ取り早く思い出せるように、各工程の概要を完結にまとめた。
とりあえず、一番簡単なプレーナダイオードの工程についてまとめた。
_______________________________________■材料ウェハの選択
・プレーナダイオードでは、大体シリコンエピタキシャルウェハを使う。光沢がある。
・エピタキシャル層の比抵抗/厚み でダイオード耐圧が大体決まる。
高耐圧ダイオードでは、高比抵抗/厚エピタキシャル層のウェハを使う。
・エピタキシャルウェハは以下の流れで作られる。
インゴッドをスライス⇒表面研磨/洗浄⇒CVDでエピタキシャル成長
_______________________________________
■ウェハ洗浄(RCA洗浄)
・ウェハはまず洗浄する。理由は、この後に酸化工程があるため。
酸化工程では、酸化炉にウェハを入れる。ここでウェハが汚れていると、
以下の不具合が出る。洗浄でこれを防ぐ。
⇒ウェハに変なものが拡散され、デバイスのスペック/信頼性に影響を与える。
⇒酸化炉が汚染される。
※炉が一度汚染されると、一度炉体を外して洗浄しなければ
いけなくなるので、生産がストップしてしまう。
・洗浄は、ウェハ用の洗濯機を使う。ドラムを高速回転させながら、
洗剤の代わりに薬品を流す。薬品は以下の通り。
洗った後は純水が出る洗濯機でウェハを洗って乾燥。
_______________________________________
■酸化
ウェハに酸化膜(SiO2)膜をつける。
・目的
①イオン注入/拡散の遮蔽膜として使う:
酸化膜をつける⇒決まったところに穴を空ける⇒イオン注入(+拡散)する。
この手順で、酸化膜に穴が空いたところにだけPN接合を形成する。
②パッシベーション(後述)の下地としてつける:
プレーナダイオードでは、耐圧向上/信頼性向上のため、
パッシベーションと呼ばれる層を形成する。
このパッシベーションの下地として酸化膜をつける目的もある。
ダイレクトにパッシベーションをつけるよりも、
シリコンとの相性が良いSiO2を挟んだ方が、信頼性上良いからである。
・酸化膜のつけ方
・ウェハを1200℃程度の炉に入れる⇒酸素を流す⇒取り出す。
※ドライ酸化/ウェット酸化/パイロジェニックなど、やり方の種類がある。
ドライ酸化は、膜質が良いが形成が遅い。他の方法は逆。
_______________________________________
■リソグラフィ/エッチング
・リソグラフィ/エッチングで、ウェハにつけた酸化膜(SiO2)膜にパターンをつける。
それぞれ手順は以下の通り。
□リソグラフィ
□エッチング
_______________________________________
■イオン注入
・ウェハ全面にイオンを照射する。すると、酸化膜のない部分(Siが露出した部分)の表面に、
イオンが埋め込まれる。
・N基板を使用する場合はボロンを埋め込む。これが次工程の拡散でP領域になる。
P基板を使用する場合はフォスを埋め込む。これが次工程の拡散でN領域になる。
□方法
・装置内を真空にする⇒ボロン原子を電離する⇒後ろから高電界をかけて高速射出
⇒ウェハにぶつける⇒シリコン表面に埋め込まれる。
※複数ウェハに満遍なく照射できるよう、ウェハ土台を高速回転させる。
※ほかにも同様の工程にフィルムデポなど安い方法がある。
なぜイオン注入なんて高価なやり方をするのかというと、
ウェハに入れるイオンの量を、電圧と注入時間で正確に
コントロールできるからである。
これで、耐圧の精密コントロールが出来る。
_______________________________________
4.拡散
4-1.P拡散
・ウェハを高温炉に入れて、3のイオン注入でシリコン表面に埋めたボロンを、
シリコン深くまで押し込む(拡散させる)。
・押し込む深さによって耐圧をコントロールする。だから、わざわざ拡散方程式
なんていう訳のわからない方程式なんか使って、精密にコントロールしようと
頑張る。
・押し込む深さは、拡散方程式で計算した拡散時間に加え、拡散炉の温度/ガス雰囲気
でコントロールする。
一旦ペンディング...................................................................................................
4-2.N拡散
5.フォトリソグラフィ・エッチング
・
6.重金属拡散
7.メタル
・
8.パッシベーション
9.検査
- 作者: S.M.ジィー,S.M. Sze,南日康夫,川辺光央,長谷川文夫
- 出版社/メーカー: 産業図書
- 発売日: 2004/03/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 27回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
電子の移動度 / 比抵抗
0.概要
・電子の移動度 とは、電子が物質の中でどれだけ移動しやすいか
を表す指標。移動度が高いほど、電子が移動しやすい。
式は以下の通り。
v=-μ・E
※v:電子の速度
μ:電子の移動度
E:電界
・比抵抗とは、物質の電気抵抗を示す値(語弊あり)。
高いほど電気抵抗が大きい。
・移動度と比抵抗は、以下の式のように逆数の関係にある。
ρ = 1/(q・n・μ) ρ:比抵抗 q:電荷
n:キャリア密度≒不純物濃度
μ:電子移動度
・どちらも、半導体の中での電気の挙動を説明する際に
よく使われる項目。
続きを読む
重金属拡散2 シリコン酸素濃度との関係
半導体デバイスで汎用的に使われるCZシリコンは製法上、酸素原子が入り込む。
この酸素原子の濃度が、製造ロットによってまちまちである。
このシリコンの酸素濃度によって、重金属拡散の効果が変わってくる。